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復活の物語が語ることは(4月28日全校礼拝にて)

新約聖書ルカによる福音書 24章1~12節

 

復活の物語を読みました。
イエス・キリストの復活。
キリスト教の一番難しいところです。
教会は2000年続いている宗教ですが、復活が何か。
この答えをまだ持っていません。
持っていないというか、絶えず私たちが問う対象になっています。
復活がある。
それは私たちが問い続けなければならないということです。
私たちに問い続けることの大切さを聖書は伝えているのかもしれません。

復活についてひとつの考えを今日はお話ししましょう。

イエス様が葬られている墓に女性たちが出かけます。
遺体の処理をするためです。
お墓は洞穴に遺体を葬り石で塞ぐものでした。
その塞いである石が取り除けてある。
中が見える状態です。
中を覗くと、そこにあるはずのイエス様の遺体がありません。
その代わりに二人の輝く衣を着た者が立っています。
おそらく天使でしょう。
その者たちが、恐れおののいている女性たちに告げます。
「イエスがガリラヤにかつていた時に言われた言葉を思い出せ。
人の子は十字架にかけられ、三日目に復活すると、言われた言葉を」

言葉を思い出せ。
どういう意味でしょうか。
その言葉は今も生きている。
その言葉が現実になっている。
その言葉は変わっていない。

復活とはなんでしょう。
生きている。
それが死んでしまった。
変わってしまうことです。
それが復活する。
生きていると変わらない。
変わらない、ということです。

復活の物語で語られていることは「変わらない」です。

私たちが聞いている言葉はどのようなものでしょうか。
これをすればあなたの未来は良いものになりますよ。
そんなことをしたら将来が台無しになりますよ。
変わるが前提にある言葉です。

友達の気持ちが自分から離れていったらどうしよう。
気にいらない奴は懲らしめなければ世界は良くならない。
ここにあるものも「変わる」が大切という感覚です。

復活の物語が語るのは「変わらないものがある」です。
変わるもの、動くものは目立ちます。
暗闇でじっとしているカラスはそこにいるのかいないのか分かりません。
でもそのカラスが動けば、そこにカラスがいると分かります。
動くものは目立ちます。
分かります。
だから私たちは動くものに目を奪われます。

動かないもの。
目立ちません。
あるのかないのかも分かりません。
人によってはそんなものは「ない」とすら言い出します。

変わらないもの。
動かないものがある。
それが聖書が語っていることです。
変わらないもの。
それがOnly Oneです。

変わらないもの。
途中から生まれたものは変わらない、とは言いません。
変わらないもの。
初めからあるものです。

世界の初め。
世界を「良い」と神が言った。
世界は良い。
それが変わらないものです。

Only One
私の中にある変わらないもの。
良いもの。

それを見つけることが本当に自分に気が付く
自分を知る。
自分を生きるということになります。

動くものに目を留めるのではなく、動かないものを探す。
問う。
Only Oneを今日も探してください。