【高校GIC・プロジェクト】森美術館「マシン・ラブ」展を訪問
高校GIC(Global Innovation Class)の新ゼミに所属する生徒たちは、先日、六本木ヒルズ森美術館で開催中の展覧会「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」を訪問しました。AI、ゲームエンジン、VR、生成AIなど、現代の先端テクノロジーを活用した多様な現代アート作品が展示されており、人間とテクノロジーの関係性を多角的に探る内容となっています。
【人間と機械の境界を揺さぶる体験】
展示作品の多くは、視覚や聴覚、触覚を通じて来場者の感情に働きかける構成となっており、生徒たちは「まるで機械が生きているようだ」「人間の感情に訴えかけてくる作品が多かった」と強い印象を受けた様子でした。なかには、「AIが感情を持っていないのに“感情のようなもの”を生み出していた」「普段一つの視点に縛られがちだった自分にとって、複数の解釈が存在することの価値に気づいた」という感想もあり、鑑賞を通じて新たな発見と学びを得る機会となりました。
今回は、特に以下の2作品が注目を集めました。
《ヒューマン・ワン》(ビープル)
四面モニターの中で歩き続ける人物の姿を描いた映像彫刻作品。デジタル上で日々変化する風景の中を歩き続ける姿から、未来社会や人間の存在について多くのことを考えさせられました。
《ラディアル・センセーション》(アニカ・イ)
生物の神経や脊髄を思わせるような構造体が、機械制御で微細に動き続けるインスタレーション。生命と機械、自然と人工をめぐる問いが静かに提示されていました。
【生徒コメント】
松葉大志:
最近の機械は感情を持たなくても、感情のようなものを生み出せるということを強く感じた。また、テクノロジーを利用して感情を左右するという発想は自分の中になかったので、その発想を取り入れていきたい。
機械が光ったり動いたり、音が響いたりする作品を見て生き物っぽいと思ったりしたのでちょっと不思議だった。途中人間ではあり得ない動きをさせていたものがあったので、これはこれで人間の動きを超える物だと思った。
大竹亮成:
作品の制作者の心の内や価値観を表しているようにも見えるような作品で、いくら多角的に見ても本質を捉えきれないような情報量の多さでした。
一緒に行動していた友達の捉えた視点と僕が捉えた視点が全く違うことに驚きました。もしかしたらこの作品は誰が見ても違うような作品として捉えられるのではないかと思い、こんな作品を見たことがなく、感銘を受け、この作品に魅了されました。(もしかしたら正解がないのが正解なのかもしれないですね)
【新ゼミ担当教諭コメント:山本 周、諸橋 陸】
今回の展覧会では、「ジェネラティブアート」や「インディーゲーム」など、生徒自身のプロジェクト活動とも重なる要素が多く、技術や芸術を通して自分の進む方向性を再認識する機会にもなりました。また、作品の“見せ方”や“受け手との関係性”に注目した生徒も多く、「感情を生むデザイン」「説明がない中でどれだけ想像を働かせられるか」といった視点が、今後の表現活動やプロジェクトにも活かされることが期待されます。