【高1数学】「見えない数学」への探求-ChatGPTと深める複素数の世界-
1学期期末テストの範囲となる単元の授業を終え、6月30日(月)の本橋真紀子教諭による高1の数学では、通常のカリキュラム学習とは一線を画し、生徒たちが自ら問いを立て、思考を深めることを目的とした「見えない数学」の授業が行われていました。「実態を伴わない『数』はなぜ必要なのか?」「虚数とは何か?」「『見えない』ことは『存在しない』ことなのか?」といった根源的な問いに向き合う、刺激的な授業が展開されていました。
授業は、まず個人のワークから始まります。それぞれの生徒が複素数に対する既存のイメージや疑問を掘り起こし、言語化する時間です。次に、個人の対話の相手としてChatGPTが登場します。生徒たちはChatGPTとの対話を通して、自身の疑問を深掘りしたり、新たな視点を得たりします。ChatGPTは、複雑な概念を異なる角度から提示し、生徒の思考を多角的に刺激する強力なツールとなります。
そして、グループワークへと移行します。ChatGPTとの対話で得た知見を持ち寄り、生徒たちは互いの意見をぶつけ合い、議論を深めます。異なる考えに触れることで、複素数に対する理解がより立体的に構築されていきます。
この一連のプロセスを通して、生徒たちは単に知識を習得するだけでなく、「見えない」もの、一見「存在しない」ように思えるものの中に、いかに重要な役割や意味があるのかを深く考察します。複素数という概念を通じて、数学の奥深さ、そして私たちの世界の捉え方そのものに、新たな光を当てる時間になりました。「目には見えないけど、理解できるから存在する」「明白な答えが出ないからこそ、人間社会の考え方は拡張されるのかもしれない」と言っていた生徒たちの言葉が、とても印象に残りました。