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一羽のチョウの羽ばたきが、新しい社会を築く(3月4日全校礼拝にて)

旧約聖書 創世記1章1~4a節

 

3学期、今朝は今年度最後の全校礼拝です。
この日に改めて私たちはなぜOnly Oneを大切にしているのか考えてみましょう。

学校というシステムがおおよそ馴染んでいる国々を対象に行われた意識調査があります。
高校生に尋ねられたものです。
多くの項目で大体、一致をしていますが、日本と韓国が著しく低い回答があります。
「自分は特別だと思うか」
「自分の力で世界が変えられると思うか」
この二つの項目が他の国々と比較して著しく低い結果になっています。
国民性として奥ゆかしさ、謙虚とも言えるでしょう。
ただもう少し分析をしてみるならば、「自分を信じていない」とも言えます。
「信じない」とはどういうことか。

人は他の動物、特に一番近い猿と何が違うのか。
バナナと人は遺伝子の60%が同じです。
猿に至ってはほとんど同じです。
遺伝子レベルでは変わらないと言ってもいいレベルです。
ダーウィンが進化論を発表した時に人々から反感をかったのは旧約聖書と違うというのもひとつの理由ですが、もっと根源的にはなんで私たち人間と猿が同じ起源なんだ、という人の優位性が損なわれたところにあります。
私たちは特別ではない。
では何が違うのか。

猿はおよそ100頭の群れしか作ることができません。
それは自分が触った、見た、体感をしたもので形成されるものです。

世界中をめぐっている富、おおよそ600兆ドルだと言われています。
このうち紙幣などで対応できるのは1割にもなりません。
その他のものはネット上で回っているものです。
実際の事物にないもので世界は動いています。

「0」と「1」
実際には存在しません。
約束事の中だけにあるものです。
その約束事の中にあるものでロケットを月に飛ばしたり、スマホを起動させたりしています。
人と猿は何が違うのか。
見えないもの、触ったことのないもの、それを信じる能力がある。
おそらくこれが、人が猿と異なることです。

自分を信じられない。
信頼、信じるのない社会。
それは人類の社会が崩壊するということです。

気象学者のローレンツが1960年にコンピューターで気象のメカニズムを解析しようと試みていました。
ひと通りの結果が出た時、検算を始めます。
ただ時間の短縮のために小数点4位以下は省略をして計算を始めました。
その結果、一度目とは全く違う結果が出てきた。
これが後にブラジルで羽ばたいたチョウの羽ばたきがメキシコ湾でトルネードを引き起こすという「バタフライ効果」に代表されるカオス論の発見になります。
わずかな初期値の違いが世界を変えていく。

自分を信じる。
凸凹でもなんでもいいんです。
自分を信じる。
そのいびつな小さな私が世界を作っていく。

人類が作った世界
他の生命体には迷惑なものかもしれません。
それでも人が与えられたこの特性を生きることしか人類のできることはないでしょう。
戦争、争い
この背景にあるのは何ですか。
信じていないからでしょう。
他国を、未来を
信じられなくなると社会は混乱していきます。

神が造った「良い」と言われたこの世界。
その神話を実現するのは凸凹な私、チョウの一回の羽ばたきです。
信じる
そこからしか始まらないものがあるのです。

聖学院がなぜ、Only Oneを大切にするのか。
人の社会を築くためです。