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【海外研修】タイ研修旅行レポート②「タイ北部から世界を望む」

お互いが大切な存在になっていく/メーコック財団

山間部から平野部のチェンライ県中心地へ移動し、メーコック財団に到着しました。ここでは山岳少数民族の児童生徒たちが共同生活をしています。到着するなり、生徒たちはここでも子供たちと仲良く遊び始めました。幼い子供たちの心をごく自然にとらえられるところが、今年のメンバーの特長です。

みんな遊びの天才だ

クリスマスをともに祝い、施設の手伝いをし、時には観光を楽しみ、メーコックの子供たちと同じ時間をすごしました。

クリスマスイブ礼拝

毎朝の朝食はこの風景を眺めながら

食事の準備と片付けを率先して手伝う

メーコック財団には小さなチャペルがあります。牧師家族が暮らしていて、毎週日曜日、ここで子供たちのための礼拝を行なっています。私たちは子供たちと一緒にチャペルの壁と窓枠の塗り替え作業と、鐘を設置する工事の手伝いをしました。
教会には塔がありましたが、鐘はずっと付けられていないままでした。鐘の設置は、メーコック財団総主事アヌラック・チャイスリンさんの念願でした。この度、日本の教会で使われていた鐘がメーコックに渡り、アヌラックさんの願いがかないました。
取付工事の足場を外し、現場をきれいにして鐘を鳴らしました。鐘の音を響かせるにはコツがあるようで、うまくいった時には高く澄んだ音があたり一面に響きます。鐘の音は川の向こう側の村にも届いているでしょう。近隣の人たちにとってもなじみ深い音になってほしいなと思います。

きれいになったチャペル

鐘を設置し、足場を取り外す

きれいに響かせるのにもコツがある

滞在中、ラオス、ミャンマーとの国境を見てきました。コロナ以前は陸路で国境を越える体験ができたのですが、今はそれができません。国と国の関係が動いていることがそんなことからも分かります。
タイ・チェンセーンからメコン川の対岸を見渡すとそこはラオス・ドンサオです。「経済特区」に指定されていたとはいえ、十年ほど前まではラオスの織物やみやげ用のTシャツやコピー商品を売る店があるばかりのどこか冴えない場所でした。いつからか河岸が舗装され、平屋建てのみやげ物屋がショッピングモール風の建物に変わり、奇抜なデザインのホテルとカジノが建ちました。コロナが明けて久しぶりに訪れたら、道路が整備され、マンションが整然と建ち並んでいました。
私たちを乗せたボートの水しぶきの向こうには新興都市の景観が続いていました。クレーンがあちこちに立っていて、街がこれからも変わっていくことを示していました。

この新興都市はかつて麻薬の生産地だった/ゴールデントライアングル

午後はタイ最北部の街メーサイへ行きました。ミャンマーとの国境線にも変化がありました。まず、崖の上のお寺ワット・プラタート・ドイワオに大規模な遊歩道ができていました。黒くて巨大なサソリの像で有名なお寺でしたが、「スカイウォーク」という新しいランドマークが備わりました。それは観光用の陸橋で、タイ・ミャンマー国境線にむけて崖からせり出すように建てられています。国境線の両側の様子がよりはっきり見えるようになりました。欄干から床面まで全面ガラス張りになっているため、宙を歩いているようなドキドキ感も味わえます。高所が苦手な人にはちょっと辛そうです。
もう一つの変化は国境の検問所です。2022年の暮れは完全に閉まっていましたが、23年は国境の橋を行き来する人々の姿が見られました。近くの市場は買い出しの客と観光客でにぎわい、いろんな民族の言葉が飛び交っているようでした。私たちもそんな人々の一部になって大きな市場を歩き、国境の街の雰囲気を味わいました。

タイ側からミャンマーを望む

青い屋根の建物は国境の検問所

市場を歩く人もたのしそうだ

次回はメーコックの子供たちと聖学院生の交流について報告いたします。(引率:伊藤 豊)