SEIG NEWS

【中3】糸魚川農村体験学習-大自然と温かい交流の中で得た「問い」-

青空の下、初めての田植えに挑戦

中学3年では、毎年5月に「糸魚川農村体験学習」を実施しています。新潟県の糸魚川市で5月27日(火)から30日(金)までの3泊4日で、生徒たちは東京では感じることのできない時間を体験します。今回は40周年の節目の年。全日晴天に恵まれ気持ちよく過ごせました。

初日は東京駅に集合し、北陸新幹線で糸魚川へ。まず糸魚川市主催の歓迎式典に出席しました。久保田糸魚川市長と伊藤大輔校長からメッセージをいただき、クラスごとに長者ヶ原遺跡、フォッサマグナミュージアム、須沢海岸に行きました。

糸魚川市主催の歓迎式典会場にて

長者ヶ原遺跡

「石のまち糸魚川」と言われますが、フォッサマグナミュージアムでは、日本列島がどのように形成されたのか、またなぜ糸魚川でヒスイが多く産出されるのかなどが分かりやすく展示されていて、興味深く学ぶことができました。須沢海岸ではヒスイ探しにチャレンジ。もしかしたら本物が見つかるかも、とガイドさんに手伝ってもらいながら真剣に探しました。残念ながら誰も見つけることはできませんでしたが、楽しいひと時を過ごすことができました。

フォッサマグナミュージアム

糸魚川市の成り立ちを学ぶ

これはヒスイですか?

これがヒスイだ!とガイドさん

2日目は、午前中は班ごとに分かれ、9つの場所でそれぞれ農作業の手伝いをしました。そら豆の苗を植えたり、草刈りや草むしりをしたり、実際に田植え機に乗せてもらったり(意外と椅子の位置が高い)など、貴重な体験をすることができました。農家の方々とはたくさんお話をさせていただきましたので、農作業には一所懸命に取組むことができ、汗と、心地よい風を肌に感じることができました。
午後はいよいよ田植えです。小田島建設の方々にお手伝いをしていただきながら行いました。ほとんどの生徒たちが初めての体験でした。蛙やアメンボなどが出迎えてくれた田んぼでしたが、はじめはなかなか入ることができずにためらっていましたが、いざ田んぼに入ってみるとすぐに慣れ、意外にも器用な手つきで、どんどん苗を植えていました。自分の場所を終えてしまったら他のところを植えたり、苗の補給を手伝ったりと、最後までしっかりと終えることができました。秋には収穫され、各家庭に新米として届けられる予定です。

そら豆の苗を植えました

田植え機に乗せてもらいました

はじめは恐々でしたが…

慣れればスイスイと、上手に植えます

3日目は、午前中は昨日の午前中に出向いた同じ9つの場所で、昨日とは違ったところへ行き、前日と同様の農作業の手伝いをしました。昨日の経験で要領が吞み込めた分、上手に、より真剣に取り組めました

ナスの苗を植えました

「緑のカーテン」作り

畝(うね)を作りました

苗床作り

午後はぬながわ森林組合の方々から日本の森林の特徴やブナの性質と、使用する道具の使い方の説明を受け、1人1本ずつ苗木を手にしていざ森の中へ。さすがに木を植えた経験のある生徒はいなかったようですが、道具を巧みに使って穴を掘り、器用に土をかぶせ埋めていました。サポートして下さっていた組合員の方々も「初めてにしては上手だ」と、お褒めの言葉を口にしてくださいました。1人前の木に育つには30年から40年かかります。いまは野原ですが、そのときどんな風景が拡がっているのか…。楽しみです。

植林作業も初めての経験

願いを込めて植樹しました

30年、40年後はどんな風景になっているのでしょう

植林後はぬながわ森林組合の作業場に行きました。ブナ以外の木の性質や森林に対する海外の取り組みなど視野の広い話を聞き、最後に木材の種類や材質を判別するクイズを行いました。全部で10問、10分間くらいのクイズでしたが、何と見事に全問正解をした生徒が3名!記念の賞品をもらいました。
本来ならば太い丸太を実際にのこぎりで切ったり、組合員の方々が使っている機械に触れさせてもらったり、木材に関する農作業も行うはずでしたが、時間が来てしまいました。残念でしたが、今後の楽しみということにしましょう。

ぬながわ森林組合で木材見学

合板の説明をききます

クイズの全問正解者の2名

工具は意外に軽かったです

いよいよ4日目。糸魚川農村体験学習最後の日です。4日間のまとめと、お世話になった方々への感謝の手紙の下書きをし、お土産を購入の後、無事に東京に戻りました。今年度の糸魚川農村体験学習は天気に恵まれ、充実した4日間を過ごすことができました。一人ひとりが積極的に農作業に参加し、田植えや植林に真剣に取り組んでいた姿がとても印象に残っています。初めての体験ばかりで疲れた生徒たちも多かったようですが、東京では手に入れることが決してできない貴重な体験を、一人ひとりがそれぞれ手にすることができたと思っています。糸魚川の人たちとの心温まる交流もたくさんありました。今回の体験を通じて「農業」に興味関心を持ち、たくさんの問いを自分のこととして考えて、再び糸魚川を訪れてくれる生徒たちが出てくれることを願っています。

畑で農機具を体験

焼山しいたけ園

気持ちのよい4日間でした

糸魚川地域振興局、観光協会、小田島建設、ぬながわ森林組合をはじめ、糸魚川の皆さまには多大なるご助力を頂戴しました。心より感謝申し上げます。生徒一人ひとりのために準備をして下さったすべての方々に、御礼申し上げます。ありがとうございました。(中3担当教諭:松原裕二)