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【クリスマスメッセージ】クリスマスの物語は私たちに何を語りかけているのか

マタイによる福音書1章8~25節

聖書の語るクリスマスの物語は私たちに何を語りかけているのでしょうか。

婚約中のヨセフとマリア
この二人が経験した不思議な出来事から物語は始まります。

マリアのお腹の中に赤ちゃんが宿っている。
婚約者のヨセフは、赤ちゃんの父親が自分ではないと分かっていました。
父親ではないのですが、聖書の記述を丁寧に読むと、ヨセフはマリアに怒っているようには見受けられません。
むしろ、それでもマリアと結婚をしたいと望んでいるようです。
ただ、自分がマリアと結婚をしたらどうなるのか。
お腹の子の本当の父親があとから名乗り出てくるかもしれない。
自分が父親でないことが生まれてきた子どもにいつか分かった時、家族はどうなるのだろうか。
そもそも、マリアのお腹の子のことを親族や友人にたちが知ったら、結婚に反対はされるし、ことによるとマリアがひどい目にあってしまうかもしれない。

色々なことを考えあわせるとヨセフはマリアと縁を切ることが一番いいことのように思えてきました。
マリアと別れよう。
そう決心したある夜のことです。
ヨセフの夢に天使が現れます。
「恐れるな。
お腹の子は聖霊によって宿った。
心配せずにマリアと結婚をしなさい
神が共にいる」
と告げます。

誰にも相談ができません。
相談をしても誰からも理解がされないことは分かっていました。
孤独の中にヨセフはいました。
そこに天使から言われた言葉。
これも人に伝えて理解されるものではありません。
天使が出てきた。
聖霊によって子どもができた。
誰も相手にしてくれないでしょう。
ですが、ヨセフの中でははっきりしていたでしょう。
これが私のしたいこと。
私だからできること。
私にしかできないこと。

私にしかできないことを私が果たそう。
その時にヨセフの前に立ち現れていたものは愛するマリアとその胎の子でしょう。

自分にしかできないことを自分が果たす。
目の前の人のために自分の使命を果たそうとする。

この形を言い換えるとどうなるでしぃうか。

Only One for Others

私たち聖学院のスクールモットーです。

クリスマスはOnly One for Othersによって始まりました。

Only One for Othersによって始まったものはやがてどうなったでしょうか。
ここで生まれたイエス・キリスト
Only One for Othersを実践しました。
このイエスの回りに弟子たちが集まり、やがて教会、キリスト教という宗教が生まれてきます。
この宗教は当時の世界を支配していたローマ帝国に認められます。
今でいうヨーロッパ中に広がっていきます。
それはやがてアフリカ、アジアにも広がります。
大西洋を渡ってアメリカ大陸にも伝わります。
太平洋を渡って日本にもやってきました。
私たち聖学院もその流れから生み出されました。

Only One for Othersは何を作り出してきたのか。
2000年間続く、世界中に広がるものを作り出しました。

Only One for Othersはひとつの家族から始まったものです。
これはクリスマスの物語ですが、私たちの物語でもあります。

Only One for Others
世界の礎を築く。
私の物語です。