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【中3国語】「高瀬舟」で『罪』の本質を考えるディベート

高瀬舟で読み解く「罪」についてディベートを展開する中3生たち

「高瀬舟」は森鴎外によって書かれた小説で、長年国語の教科書に採用されていて、「罪とは何か」というテーマが描かれています。

高瀬舟のあらすじ:
弟殺しの罪人である喜助の護送を命じられる、高瀬舟の宰領こと庄兵衛。喜助が普通の罪人とは違って、楽しそうな様子なのを不思議に思った庄兵衛は、喜助の話を聞いて、喜助は欲がなく、足ることを知っているのだと感じた。
そして、病気の弟が自殺を図った際に死にきれず、弟を苦しみから救うために刃を抜いて死なせたという喜助の罪を聞く。それを聞いた庄兵衛は、果たして人殺しなのだろうかと疑問を抱く。しかし、上からの判断に従うしかないと思い、腑に落ちないものが残った。

島立教諭の授業では、喜助の行動は本当に罪なのか一人ひとり考え、ランダムに4人前後のグループに分かれて、これまたランダムに「有罪派」と「無罪派」、「審判員」を担当し、ディベートを行いました。ディベートに挑むにあたり、島立教諭は5つのポイントを説明しました。
① 論理的思考力
② 多角的にものを考える力
③ チームで問題解決に向かう力
④ 自分の考えを相手に伝える力
⑤ 情報処理能力

ディベートの説明をする島立教諭

勝つためのポイントを真剣に聞く生徒たち

苦しんでいる弟を楽にさせたいだけだったと話す生徒、喜助の話は本当のことなのか疑う生徒、安楽死について話す生徒、人を殺めること自体を罪に定めることが重要と話す生徒、殺人が罪なら戦争はどうなるのかを話す生徒、人間の幸せと不幸せの価値を話す生徒。様々な見解を訴え、全員が「では『罪』とは何か」に真剣に向き合っていました。

ディベート前に作戦会議

無罪の主張をする様子

ディベート後、質疑応答に備える

ディベートは細かく時間が制限されて、審判員によって決まるわけですが、「有罪派」と「無罪派」の勝敗は毎回変わりました。はじめに島立教諭が説明した5つの力がいかに発揮されていたかが、勝敗を変えていきました。国語だけでなく様々な分野から学んできた知識を応用し、言葉を選んで冷静に語っているグループが、審判員の心を動かしていた模様です。

審判員による「有罪派」「無罪派」への投票