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【授業now】中3L.L.T. リディラバ代表・安部敏樹さんの講演会

本日3時間目に、中学3年のL.L.T.(Learn Live Together、本校オリジナル教育プログラム)にて、リディラバ代表・安部敏樹さんをお招きし、お話をしていただきました。来年度、高1に進学した5月に行うソーシャル・デザイン・キャンプはリディラバと共同で企画しているため、その事前学習の一環で安部さんが来てくださいました。

今日のテーマは「社会問題とは何か?」というお題。しかし、講演冒頭は「私に彼女がいないことは問題でしょうか?」という問いから入り、思いもよらないスタートに生徒達は盛り上がって答えていました。そもそも問題とは、「理想状態と現状の差分」。でも、主語が誰で、どんな理想状態を考えているかによって、問題が変わってくる、ということを「安部さんの彼女問題」を通して実感していたようです。安部さんは山本教諭との掛け合いの中で、「社会問題とは何か?主語が一人でなく複数となり、共通の問題をもっている。その複数が地域や世代によって共通の問題となっているのが社会問題。戦後直後の日本の社会問題は「ご飯を食べること」だったが、今の日本社会では主語が異なれば社会問題が異なる、複雑な社会になっている。また、昔は理想状態を考えなくてよかった。いい大学へ行き、いい会社に入り、豊かな生活をする、という理想状態に向けて、どう近づくかを考えていればよかった。しかし、現在では理想状態を自分でつくらなくてはならない。個人や社会の理想状態を自分で考えなくてはならない。」とお話いただきました。

生徒達からは積極的に質問がでました。安部さんは「質問をしようとする姿勢がとても大事。ファーストペンギンになること。シリコンバレーでは『ファーストペンギン賞』という表彰があるほど、とても大切にされている」とお話いただき、さらに生徒達の質問に火がつきました。その中で、生徒から「これからどんな力をつければいいでしょうか?」と質問がでました。安部さんからは「課題解決力よりも課題設定力が重要。自分で課題を設定する力、問いをつくる力がとても重要になる」とお話いただき、生徒達は必死にメモをとっていました。また、個別の質問でも回答されていましたが、「違和感を感じるセンサーが大事。そのために、様々な体験が大事。自分はマグロの素手づかみを何度も体験したから、海のことは特にセンサーが働く。常にモヤモヤする場所に行って、モヤモヤする経験を増やしてほしい」と写真を見せていただきました。

終わった後も、数名の生徒達は残って、安部さんへ質問をぶつけていました。帰り際に、こういった学生との対話の機会をもっと持ちたいとおっしゃられて、お帰りになりました。安部さん、お忙しいなか大変貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。

その後、各クラスルームに戻ってグループワークを行いました。安部さんからのメッセージを振り返りながら、具体的な準備を進めました。来年度から始まるソーシャル・デザイン・キャンプ、きっと実り深い体験ができることでしょう。