【中2~高2】性の多様性を学ぶ ― 性教育講演会を実施しました
昨年度に続き、今年度も性教育講演会を実施しました。
本校の性教育は、生徒一人ひとりが性や人権に関する課題を「自分自身に関わること」として捉え、他者への理解を深め、視野を広げながら社会の多様な在り方について学ぶことを目的としています。また、正しい知識を身につけるとともに、自分とは異なる価値観や背景を知り、自分自身と他者の双方を大切にできる生徒の育成を目指しています。
6月24日(水)のHRの時間に、中学2年生から高校2年生を対象として、平良愛香氏による性教育講演会を実施しました。平良氏は日本基督教団の牧師であり、町田にある農村伝道神学校の校長を務めておられます。また、日本基督教団で初めて同性愛者であることを公表した牧師としても知られています。
今回の講演では、ご自身の経験をもとに、「性の多様性」と「ジェンダー」についてお話しいただきました。「性」は「sex」「gender」「sexuality」という複数の側面から捉えられることを紹介され、ご自身が経験された五つの「カミングアウト」の機会を振り返りながら、その時々の思いや葛藤について語られました。
思春期から青年期にかけて、誰にも理解されないのではないかという不安や孤独を抱えていたこと、そのような中で支えてくれた友人の存在、「周りの人が敵になってもイエスは裏切らない」という信仰の言葉に支えられ、「もう少し生きてみよう」と思えた経験、そして牧師を志すに至った経緯など、一つひとつのエピソードに、生徒たちは真剣に耳を傾けていました。
また、「性は一人ひとり異なるものであり、バリエーションやグラデーションがある」という考え方についても分かりやすくお話しいただき、性の多様性について理解を深める機会となりました。
講演後の感想には、「新しい視点を知ることができた」「多様性について考え方が広がった」といった声が多く寄せられました。また、当事者の話を直接聞いたことで、自分自身の言動を振り返り、「これからは相手の立場を考えて接したい」と記す生徒も見られました。一方で、少数ではありますが、戸惑いや葛藤を率直に綴った感想もありました。こうした様々な受け止め方があることを大切にしながら、生徒が安心して考え、対話できる性教育を継続していくことの重要性を改めて感じています。
今回の講演は、同性愛をカミングアウトしている方のお話でしたが、本校が生徒たちに伝えたいことは、特定の考え方を押しつけることではありません。初めて出会う価値観や、自分とは異なる背景をもつ人と向き合うとき、「知らない」「分からない」で終わらせるのではなく、まず相手を知ろうとし、敬意をもって接する姿勢を育むことです。
これからも本校では、生徒一人ひとりが多様な人々との出会いを通して視野を広げ、自分と他者の双方を大切にできる力を育む学びの機会を提供してまいります。
(養護教諭 小野梓)



