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【探究Week・高校編】それぞれの「現在地」から問いを深める一週間〜理科課題研究・GIC・異学年発表会〜

※中学生編の記事[【探究Week・中学編】「なぜ?」に向き合い、問いを動かす一週間〜自由研究からギャラリーウォーク、発表会へ〜]

聖学院には、いくつもの「探究」があります。

中学生が自分の「好き」や「気になる」からテーマを決めて取り組む「自由研究」。高校では、普段の授業から生まれた問いを追いかけたり、理科課題研究に取り組んだり、自らの問いをプロジェクトとして動かしたりしています。テーマも、方法も、成果の形も一人ひとり違います。

今年度、こうしたさまざまな探究をつなぐ時間として、中高全校で「探究Week」を実施しました。発表のためだけではなく、自分の問いに向き合い、考え、試し、誰かに話し、また考える。そんな探究のプロセスそのものに時間を使うための一週間です。

今回は、高校生の探究Weekでの取り組みをご紹介します。

■ 高校生の現在地から踏み出す探究

同じ一週間、高校でも学年やクラスに応じた探究が進んでいました。

高校1年生には、探究のために新しいテーマをわざわざ作らなくても、普段の授業で出会った「気になる」を題材にしてよいと伝えました。授業で学んだことをもう少し調べてみる。授業中に生まれた「なぜ?」を追いかけてみる。中には、中学時代の自由研究から続くテーマを持ち続けている生徒もいます。探究は行事のたびにリセットされるものではありません。これまで持っていた問いを深めてもいいし、日々の学びから新しい問いを見つけてもいいのです。


■ 「余白」が生んだ内発的な学びと、まとまった時間の成果

高校2年文系では、自分で何に時間を使うかを考える「余白」が生まれました。

「何をやったらいいかわからない」という生徒が続出するのではないかという教員の予想に反し、生徒たちは初日から黙々と活動を開始。沖縄平和学習に向けたグループ探究や個人のプロジェクト、探究Dayで深めてきた内容に取り組む生徒が見られたほか、「自分が追究したいテーマでやりたい」という自発的な声も上がりました。教員の振り返りには、あえて余白の時間を作ったことで、生徒に委ねながら探究が「内発的かつ主体的に回っていく可能性」が見えたと記されています。

一方、高校2年理系では「理科課題研究」を進めました。例年は授業時間外にも取り組んできた課題研究に、今年はまとまった授業時間の中でじっくり向き合うことができました。初日はやや受け身だった生徒たちも、2日目には自ら教員への面談を希望したり、実験を進めたりする積極的な姿が見られました。

またGIC(Global Innovation Class)では、これまでも「Project Week」として社会課題や自らの問いから立ち上げたプロジェクトに集中して取り組んできました。探究Weekでも、自分自身と深く向き合いながら問いを洗練させ、プロジェクトを推し進める濃密な時間が生まれていました。

※関連リンク:2024年度「GIC Project Week・中間発表会」の記事

■ 学年を越えて「開く」ことで生まれる、知らなかった探究との出会い

探究Weekの終盤には、それぞれの場所で進んでいた高校生の探究を互いに「開く」時間が設けられました。高校2年理系の理科課題研究やGICのプロジェクトなど、普段は特定のクラスやコース内で閉じがちな活動を、他学年や他のコースの生徒たちに向けて発表しました。

ここで見えてきたのが、異学年で学び合うことの面白さです。

教員の振り返りには、「これまで内側で閉じていたSDGsプロジェクトも、活動内容を全体へ伝えるチャンスとなった」「校内で行われていて、実は知らなかった活動を聞くことができた」といった声がありました。

さらに、講堂で行われた発表全体についても「縦のつながりの良さが出ていた」という手応えが得られました。先輩・後輩が同じ場に集うからこその適度な緊張感があり、それぞれが真剣に耳を傾ける姿が印象的でした。同じ学校にいても、学年やクラスが違えば、互いに何を学び、何に夢中になっているかを知る機会は限られています。

自分とは違う問いに出会う。先輩の探究を見る。後輩に自分の取り組みを伝える。全校で同じ一週間を「探究Week」としたことで、学校内に存在していた多種多様な探究が、互いに見える形となってつながり始めました。

高2文系ギャラリーウォークの様子

GICプロジェクト発表

高2理系理科課題研究発表の様子

■ 「探究」とは何だろう〜問い続ける姿勢と学びの広がり〜

もちろん、探究Weekがすべての生徒に同じような成果をもたらしたわけではありません。中学生へのアンケートでは自分の探究に「かなり・ある程度取り組めた」生徒が4割強にとどまり、十分に取り組めなかったと感じる生徒もいました。また、「理科に縛られず、もっと自由な探究がしたかった」という率直な意見も寄せられました。

何を探究するのか。どこまで学校が環境を用意し、どこからを生徒自身で決めるのか。そして、時間を用意するだけで本当に探究は動き出すのか。これらは生徒だけでなく、私たち教員にとっても探究教育を進める上で問い続けたいテーマです。

一方で、探究Dayや探究Weekを経験した生徒たちには、「探究は自分の興味から始めてよい」という考えへの強い共感が見られました。「正解がなくても進めてよい」「調べるだけでなく実際にやってみることが大切」「自分で時間の使い方を考えることも学びの一部」といった肯定的な変化も確実に育まれています。

探究weekを終えて中学高校そして教員からは多くの気づきや変化の声が寄せられました

■ 発表はゴールではない。次の問いが生まれる場所へ

中学の自由研究、高校でそれぞれが進める探究、理科課題研究、GICのプロジェクト。

テーマもアプローチも違いますが、そこには「自分の中に生まれた問いに時間をつかい、それを誰かに伝え、また問い直す」という共通したプロセスが存在します。今年度の探究Weekは、全校でそのための「時間」を意識的に生み出す試みでした。

時間を用意するだけで自動的に探究が深まるわけではありません。では、どんな環境や問いかけがあれば、一人ひとりの「気になる」がより力強く動き出すのでしょうか。そして、それぞれの問いを学校の中でひらくことで、どのような新しい学びの連鎖が生まれるのでしょうか。

発表は、探究のゴールではなく、次の問いが生まれるスタートラインです。一人ひとり違う問いが学校の中を行き交い、誰かの問いがまた別の誰かの「気になる」を刺激する。聖学院の探究は、ここからさらに続いていきます。