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第3回思考力セミナー報告

 第3回思考力セミナーは45名の参加者で行われました。レゴを使って問題解決に挑戦しました。
 
 今回は主に3つ視点を中心に置きました。1つ目はコミュニケーション能力。2つ目は分析能力。3つ目は表現能力。ちょっと難しそうに聞こえますが、皆さんがいつも遊んでいるレゴを使ってこの問題に挑戦しました。レゴと聞くと、子供の遊び道具に思えるかもしれませんが、実はこれはビジネスの場で人材育成・チームビルディングとして使われているレゴ・シリアスプレイ・メソッドを小学生用にアレンジしたものです。

 授業の流れとしてはアイスブレイク、課題、振り返りという基本的な構造です。初めて会った人とチームを組み、問題解決作業に取り組むのは大人にとっても大変なことです。小学生にとっては尚更です。ですから、最初に6つのブロックを使ってアヒルを作るアイスブレイクから始めました。

作業時間は3分。終わったらグループの他のメンバーに自分のアヒルを見せながら自己紹介します。生徒はこの作業を通して次のことを学びました。

1.実際に作業するとアイディアが浮かんでくる
2.さまざまなアイディアがあり、どれも正解である。

この2つのことを念頭に置きつつ、本番に移ります。今回の課題は次の文章を読んで、問題を見つけ、解決方法に優先順位をつけ、スコープを決め、ブロックで状行を表現する作業です。時間は30分。

『タイの山奥にタロという名前のかわいらしい象がいます。
タロはとってもシャイで人の声を聞くとすぐに森の中へ逃げしまいます。
ある日、二人の少年たちが森で遊んでいると、なんとタロが倒れています。少年たちはあわてて村に戻り、お医者さんに相談すると、タロに薬を飲ませてあげなければならいと言われました。

  

けど、ちょっと待って。タロはとても怖がりです。人影を見るとびっくりして薬をのまなくなってしまいます。タロを助けてあげたい二人の少年たちはいったいどうすればタロに薬を飲ませてあげることができるでしょうか。』

子供たちの発想力はすごい。最初のアイスブレイクで仲良くなった子供たちからは無限のアイディアがあふれていました。ブロックを作った後、自分たちのプロジェクトに名前を付け、売り(良いところ)を書きます。最後に100字で自分たちのプロジェクトを紹介する文章を書きます。ブロック作成から作文完成まで15分足らず。生徒はブロックで思考が明確になり、文章作成に積極的に取り組んでいました。

ここではあるプロジェクトを紹介します。

「木の上から薬をぶら下げてタロにあげる作戦」

タロは怖がりだから気配を感じない木の上から薬をぶらさげて渡す。この作成のいいところは、木の上なので人影を感じさせないし、声も聞こえないので、タロもびっくりしないで安心して薬を飲めることです。

私はこのレゴメソッドをビジネスパーソン向けに使用するのを目にしていますが、今回は小学生向けに使ってみました。初めはどうなるか不安でしたが、小学生のパワーに圧倒され、認識を新たにしました。人間がアイディアを共有し、ともにゴールに向かう能力は潜在的に普遍なもののように感じました。

60分という短い時間でしたが、徐々に緊張がほぐれ、お互いの想像力を刺激する空間を作ることができました。ワークシートは回収し、赤ペンのコメントを入れて参加者のご自宅へ郵送いたしました。

次回の思考力セミナーにもご期待ください。