【中高・聖書】自分のクレドを作成しよう
今年度より、中学3年および高校3年の聖書の授業において、新たな取り組みとして「自分のクレド(信念・信条)」を作成するプログラムがスタートしました。
■ なぜ、いまクレドをつくるのか
聖学院には、建学の精神である「神を仰ぎ 人に仕う」、そしてスクールモットー「Only One for Others」があります。 しかし、これらの言葉は抽象的で解釈の幅が広く、生徒自身の日々の行動と直接結びつけることが難しいという課題がありました。
そこで私たちは、この理念を単に掲げるだけでなく、毎学期「自分の言葉として語り直す」機会を持ちたいと考えました。 クレド策定の目的は、聖学院での学校生活において「私は何を信じ、何のために学ぶのか」を一人ひとりが言葉にすることです。
■ クレドとは?
「クレド(Credo)」とは、ラテン語で「私は信じる」を意味し、自分が大切にしている信念や信条を言語化することを指します。世界最高峰のホテル「リッツ・カールトン」をはじめ、多くの組織や人が立ち返る軸として大切にしています。 聖学院では生徒だけでなく教職員も自身のクレドを作成し、大人も子どもも一人の「Learner(学び手)」として生きる目的を問い直しています。
生徒たちのクレドは、以下の3つの段落で構成されます。
第1段落【自分の信念(使命)】:「自分はどういう人間か」「この世界で何を大切にしたいか」
第2段落【学びの目的】:「なぜ学校に来ているのか」「何のために学んでいるのか」
第3段落【共通の結論(固定)】:「自分らしく輝くことが、誰かのためになると信じて」
■ 生成AI(Gemini)を活用した深掘り
今回の作成プロセスでは、GoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」を補助的に活用しています。 AIに答えを出してもらうのではなく、「自分の人間性を深掘りするための質問」を作成・投げかけてもらう伴走者(対話相手)として使用します。
「最近心が動いた瞬間」「自分の好きや得意」「嫌だな・悲しいなと感じたこと」などの質問に対して生徒自身が答えていき、その問いかけを重ねることで、自分自身の言葉をブラッシュアップし、魂の入ったクレドを紡ぎ出していきます。
■ 完成した生徒のクレド(一例)
完成したクレドは互いに発表し合い、共有しました。ある生徒が作成したクレドをご紹介します。
【キャッチフレーズ】
自分の『好き』で、誰かの『ここにいたい』をつくる。
【第1段落:自分の信念(使命)】
私は、自分の内側にある「好き」や「得意」という輝きは、誰かの心を温めるために授かった力であると信じています。たとえ小さな「レゴを組み立てる力」であっても、それを隣にいる誰かの不便を解消したり、笑顔を引き出したりするために使うとき、自分の存在には確かな意味が宿ります。自分を磨くことは、すなわち「明日の誰かのため」に他なりません。
【第2段落:学びの目的】
私にとって学ぶこと・学校生活とは、「理想の自分」になりきって、日常を「誰かのための時間」をとることです。単に知識を得る場所ではなく、自分が感じた「嫌だな」「面倒だな」という違和感を、同じ痛みを持つ誰かの孤独を癒やすための「優しさ」へと変換する稽古場です。義務感で通うのではなく、自らが起点となって周りの空気を変え、誰かにとっての「学校に来る理由」になれるよう挑戦し続ける場であると定義します。
【行動指針・誓い】
Do(行うこと): 自分の「得意」を隣の人の「不便の解消」に役立てます。違和感や面倒くささを感じた時こそ、理想の自分(かっこいい自分)ならどう動くかを考え、その負の感情を誰かのための優しさへと変換します。まずは自分から明るい挨拶や声掛けを行い、クラスの空気を変える起点になります。学校を単なる義務の場所ではなく、自分の個性が誰かの支えや安心に変わる瞬間を増やすための「挑戦の場」として捉え、積極的に動きます。
Don't(行わないこと): 「得意」を自分だけの満足で終わらせません。学校生活の不満や面倒くささを、ただ耐えるだけの「受動的な我慢」に留めません。誰かが環境を整えてくれるのを待つような、自分の機嫌を他人任せにする態度はとりません。孤独を感じている人を突き放さず、自分さえ良ければいいという狭い考えに陥らないよう、自分の輝きを出し惜しみしません。義務感に縛られて心を閉ざすのではなく、自らの行動で状況を変えることを諦めません。
【第3段落:共通の結論】
自分らしく輝くことが、誰かのためになると信じて。
自分の言葉で打ち立てた信念は、これから先の歩みを支える「心のコンパス」となります。生徒一人ひとりが自身の「Only One」を見つめ直し、それを「for Others」に発揮しながら、より豊かな学校生活を送っていくことを期待しています。






