正解のないAI時代に、自らの使命(Only One)を生きる(5月20日全校礼拝にて)

ローマの信徒への手紙 11章33~36節
聖学院はAI時代をどう生きるのか。
AlphaGo(アルファ碁)という囲碁の対戦AI。
囲碁の指し手はチェスや将棋に比べはるかに多いパターンがある。
それゆえ人は直感で行っているところがある。
AIは人には勝てないと思われていた。
ところが2016年にこのAlphaGo(アルファ碁)が当時のチャンピオンに勝利した。
対戦の途中、AlphaGo(アルファ碁)が打った一手。
誰もが誤り、無駄な一手だと思った。
ところが対戦が進むうちに、その「無駄な一手」が実は決め手になっていた。
このことから二つのことを私たちは知らされた。
ひとつは人には想像もできないことをAIは行う。
もうひとつは、なぜAIがその「手」を選択したのか、その理由、原因が分からない。
これは何を意味しているのか。
飛行機から異音がする。
これをパイロットから聞いた整備士は、その対応、修理をする。
問題があるから解決をする。
正しい行動を飛行機会社は採ることができる。
2017年、ミャンマーの少数民族ロヒンギャが国軍によって排除される。
また市民レベルでもジェノサイドが起こっていた。
その原因はFacebook。
Facebookのアルゴリズムは、閲覧回数、時間が長く読まれているもの、そういう一定の条件を満たしたものが上位に行く。
ロヒンギャへの誹謗中傷、いわゆるフェイクニュースが、人々を動かした。
この件は国際的に問題になり当時のCEOザッカーバーグが米議会で謝罪をしている。
この問題はアルゴリズムが単純だったから、それを修正すればMeta社は正しい行動を採ったことになる。
正しい判断、正しい処置、これまではそれが実行されてきた。
AlphaGo(アルファ碁)がなぜ、その一手を打ったのか分からない。
それはバグかバグじゃないか分からないということ。
バグを修正しましたというアップデートを私たちは受け取る。
それは明らかに間違いだと分かるから。
ただAIの世界ではバグとバグじゃないものの区別は人にはもはやできなくなっている。
人には診断できなかった病気の原因をAIが見つけたというのは既に起こっていること。
そのAIがこう言ったらどうしますか。
「この患者の命を守るのは右腕を切り落とすことです」
医者の見立てとは明らかに違う。
またAIのその発言の原因も分からない。
その医者は患者になんと言いますか。
「私にはよく分からないのですが、AIが言っているので切りましょう」と言うのか。
また、自分の見立てに従って切断を実行しなかった。
数年後、その患者は右腕が原因で生涯を終える。
家族が訴えてくる。
「なぜ、AIの言うとおりにしなかったのですか」
自動運転
AIがするでしょう。
自動運転の車が急ブレーキ、急ハンドルを行った。
乗車している者がむち打ちになったが、AIは人には気が付かない大きな危険を察知して、その処置を採ったのかもしれない。
ただ人にはそれが分からない。
急ハンドルを採った、このAIのアルゴリズムを修正する必要はあるのか。
これはバグなのか、バグでないのか、人にはもはやその判断ができない。
答え、正解が分からない時代。
そもそも答えや正解は存在しているのか、すべては虚構なのではないか。
ただ、これは今に始まったことではない。
パウロは「人には神は分からない」と言っている。
ユダヤ・キリスト教、聖書の世界は神は分からないがその根底にはある。
天変地異も、不条理も神が起こす。
それとどう向き合うか。
これとの向き合い方で大切にしなければならないもの。
聖学院はこれを「聖人」と言ってきました。
Only Oneと言ってきました。
相手が何であれ、分からなくとも、自分は自分の使命を果たす。
正しいから、正解だから、その基準はもはや成立していない。
自分で決める。
主体性。
それが、この先、私たちが求められていること。
私の使命
本当の私
Only Oneを探す一日にしてください。
